新印象派として有名な画家たちの物語。
事実と想像の入り混じったファンタジーで
彗星マジックしかできないものを創り出している。
それは絶望と希望、悲しみと喜び、怒りと幸せ。
音響、照明、衣装、美術、どれをとっても必要最低限なもので
時に優しく時に厳しく観ている私たちを引き込んでいってくれる。
物語はもちろんあるんだけど、誰が主役とかキーパーソンだとか関係ない。
ただただそこに生きている人が描かれている。
きっとそうだったんだろうなと目の前で手の届く距離で紡がれる。
役者みなさん素敵でしたが、印象的に残ったのは耽美さんと竹田さんでした。
お嬢さまと召使いの物語。
一緒に住む画家たちの物語。
背景に潜む政治的国の物語。
僕は美術に疎いほうで、ゴッホだとかゴーギャンだとか名前は知っていても
作品はそれこそ「ひまわり」位しか知らない。
一緒に観に行った人が、美術には僕よりも知っていて、観劇後色々教えてもらった。
耳切っちゃったんだ。ああやって死んじゃったんだね。実は男なのに女だったとか。
まぁ知っていても知らなくても伝わるものを作ってくれているので安心。
演劇は生で観るもんだと誰彼も言うけれど、DVDで見たって、そう変わらないんじゃないか
そんな演劇は存在するし、生だろうがDVDだろうが面白くないものは面白くない。
彗星マジックの舞台は必ず生で観てほしい。絶対だ。
彗星マジックを愛してやまないのは、絶妙な具合で物語にのめり込ませる要素が
多分に含まれているからだと思う。知らなくても問題ないけど、後で調べたくなったり、
想像の余地を常に観客側に与えてくれる心地よさのバランスが最高なんだと思う。
作演の勝山さんの世界が大好きなんだけど、それを体現する役者さんみなさんが
僕は大好きです。彗星マジックが女性だったら、僕は恋をして求婚するだろう。
今作で魅力的なのは、ラストでした。カンバスの前に並んだ画家たちが絵を描き、
描き続けること、生き続けることを提示してくれている、あの絵だ。
この絵、このセリフが観たかった聞きたかったものとして最高の状態で描かれる。
これだから演劇は面白い。また演劇が好きになりました。ありがとうございます。
そして、大好きな舞台が増えました。
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