人と人の何気ない日常の切り取り方が非常に巧みだなぁ、印象に残る創り方。しつこい部分もありましたが、それは観せたい意思だと思いますし、届けたいものなのだと思いました。
まず物語の下敷きには9.11があります。前半は姉弟二組のやり取りで進んでいきます。弟二人はいずれも相手の姉に恋をしています。届けたいが、届けられないもどかしさの距離、死という突然やってくる出来事、宗教、思想、戦争に登場人物が絡んでサスペンス調に物語は後半へ突入します。
丁寧さと鋭さがいい加減な具合で配置されていることで展開が観ているのには心地よかった。役者も等身大とは言いませんが、それぞれの持ち味が物語に溶け込んでいていい作品でした。多分TVドラマや映画にしてしまうと面白くなくなってしまう演劇ならではの共有感がありました。心地よくて何回か意識が飛んではいるのですが。
舞台に配置されていた透明なフィルターのような鏡のような美術も自分たちが覗き見られている感と違う角度から人物が見えてしまう鏡のさまも楽しめるもので好みでした。
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