1人の女性を主軸に据えて、頭の中をのぞき込むかのような演劇。メタフィクションを武器に関西小劇場界でも人気の高い、もしくは注目されている劇団の作品です。
おそらく若手と言われる劇団の中では一歩抜きんでているなという印象をもちます。今の若者像といいますか表現の仕方がえげつないとも思いますし、それが魅力的でもあります。
だらしのない女性(おそらく精神病)の頭の中に存在するキャラクターが彼女をひも解いていき、最終的に彼女そのものをつぶしてしまいます。怖い話です。怖い話なのに笑ったり、悲しくなったり、どこか客観的にどこか俯瞰的に物事や果ては自分自身をみてしまう。
どこか冷めている、どこか他人事、どこか狂っている、どこか幸せを感じている、それらを主観ではなく客観的に描くことで演劇足らしめているのではないか。
面白いなぁと思うのは、これが分からないところが多く出てくるのに気持ちよく見れてしまう気持ち悪さ。勝手な解釈を観てる側に提供してくる怖さ。で、お前はどうなん?と突きつけられる良作でした。
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