2015年5月27日水曜日

065 匿名劇壇「悪い癖」

1人の女性を主軸に据えて、頭の中をのぞき込むかのような演劇。メタフィクションを武器に関西小劇場界でも人気の高い、もしくは注目されている劇団の作品です。

おそらく若手と言われる劇団の中では一歩抜きんでているなという印象をもちます。今の若者像といいますか表現の仕方がえげつないとも思いますし、それが魅力的でもあります。

だらしのない女性(おそらく精神病)の頭の中に存在するキャラクターが彼女をひも解いていき、最終的に彼女そのものをつぶしてしまいます。怖い話です。怖い話なのに笑ったり、悲しくなったり、どこか客観的にどこか俯瞰的に物事や果ては自分自身をみてしまう。

どこか冷めている、どこか他人事、どこか狂っている、どこか幸せを感じている、それらを主観ではなく客観的に描くことで演劇足らしめているのではないか。

面白いなぁと思うのは、これが分からないところが多く出てくるのに気持ちよく見れてしまう気持ち悪さ。勝手な解釈を観てる側に提供してくる怖さ。で、お前はどうなん?と突きつけられる良作でした。

2015年5月21日木曜日

064 劇団子供鉅人「組みしだかれてツインテール」

おバカを突き抜けて呆れてしまう作品。妄想彼氏の存在は面白かった。あとはくだらないことを本気でやりきる役者がまぶしかった。

妙な身内感があるのには最初から引いてしまっていた。絶対笑えなくなるなと思いながらの観劇。10分おしは謝ってくれたから自分の中では処理しておくが、ありえない。トイレ行かせすぎ。

話はくだらないので特筆すべきことはないが、女子高に通う学生たちそれぞれに妄想彼氏がいて、それぞれに見えるように具現化されてしまうところや、行き過ぎたSEX描写はそこまでやってくれたら突き抜けてしまうので受け入れられた。力押しで押し切る強さはありだなと最終的に思ったので、いいとは思う。あとは好みの問題。

063 笑の内閣「名誉男性鈴子」

選挙を舞台にいわゆる男的考え方を主張する女性立候補者を描いた作品。相変わらずこの手のテーマを取り上げるところにうまさがあると思う。非実在少女ノルテちゃん?だったろうか、そちらのほうが面白かったのだが。

女性のためのと叫びながら、公約とはかけ離れた女性議員は実在しそう。実際そんなもんかもしれない。こうあるべきだというべきだ論と男はこうで女はこうという決めつけ。できればもっとぶっ飛んでほしいということを観劇後、思いました。

笑うに笑えないネタが自分としては多くて、多くの問題を提示してくれているとは思う。親のいない子供がどうのとか、セクハラ元市長や利害関係を考える応援団長、議員になることが女性の社会進出の方法と固執した考え方。生き方ぐらい好きにしたらいいのに。それでは作品にはならないか。

バイアスのかかった問題を問題として取り上げ、喧嘩を売る作品は好きだ。

062 gate#13《May》Quiet.Quiet「条例」、万博設計×プロトテアトル「INEMURINOKUNI」、コトリ会議「チラ美のスカート」

京都のgateは4回目かな。いろんな団体を短編で3つ観れるので面白い。企画としても「げきをはなそう」というテーマを掲げているようで、好み。

Quiet.Quiet「条例」
死刑制度を取り上げて、裁判員どころか死刑執行人に一般人がなっている。しかも執行人に選ばれた女3人が命の重さ云々かんぬんよりも3人の関係性から死刑が執行されるという衝撃的と言えば衝撃的な内容。3人芝居で三者三様とも腹の立つ女。自分の思い通りに進めようとする人、自分の意思なんてあってないような人、関係性を閉ざした自分の殻に閉じこもる人、命は適当にあしらわれる。3人の会話が非常に腹が立ち、面白かった。

万博設計×プロトテアトル「INEMURINOKUNI」
電車の中、突然の事故で失われる命。失われるまでの数十分の物語。同じ時間、同じ車両に居合わせた4人の登場人物。本当にどうでもいいことをそれぞれ思い、失われていく命。会話もほぼなくそれぞれの自己主張が続く。最後に少しだけ会話を交わすが、おそらくそれは死んだ後の話。明日、いや今日、いや数時間数十分後、私たちは死ぬかもしれない。いつも通りの日常の中で不条理になくなるのだろう。

コトリ会議「チラ美のスカート」
隕石が地球に落ちることが分かっている。分かっていてどう生きるかをおかしく愉快に提供してくる恐ろしい展開。色々な情景を切り取って観せて、これはお芝居ですと言わんばかりに馬鹿げたことが提供される。こうして世界は終わりを迎えるんだ。いやそれも芝居の中で、頭の中で起きているだけの話なのかもしれない。

061 STAR★JACKS「Born to Shine~Reborn~」

時代劇の設定が自分に合わないのだと思ってしまった、というよりも家督制度に引きずられている男は外で女は中でというやり取りや父親と息子、母親とのやり取りが気に入らないのだということがよく分かった。

物語の中に一環としてある命を無駄にしてはいけない、しかし若さからの押さえようのない憤りさは、この時代だからありえた話なのだろうとは思う。

彰義隊の物語を基盤に展開されるので、全員が死んでしまう展開になることが最初から予測されてしまっているので、2時間半は耐え忍ぶ観劇となると思っていたが、想定していたよりも面白かったので、良かった。

別の話で当日パンフレットをもう少し何とかできなかったものかと思う。顔が縦伸び、横尺を変えた切り貼りは見るに堪えない。

朱の会を観ていて、良かったと思うところは、天野八郎を演じた奥田卓さん、倉内彦左衛門を演じた小川惇貴さん、歌を演じた爽田いもりさんツグミを演じた福良千尋さん、ヒバリを演じた佐々木穂香さん、おきぬを演じたMAYUさん、と印象に残る方が何人かいらっしゃったこと。

特に原田左之助を演じた壱劇屋の竹村晋太郎さんは役にぴったりはまっていたので、竹村ファンとしては満足でした。

2015年5月15日金曜日

060 努力クラブ「彼女じゃない人に起こしてもらう」

タイトルはいいなぁと思っている。内容はグダグダ。最初の10分と最後の10分、おまけして10分足して30分作品としてコンパクトにまとめていただきたい。

誰だって「彼女じゃない人に起こしてもらう」と聞けば、あれこれ想像して楽しみじゃないですか。それを裏切る作品ではあった。

ベッドに横たわる二人。急にバイトの先輩に呼び出される男。隣の女は既に怪しんでいる。バイト先の先輩に会いに行くと「私のこと好きなんやろ?」と言われ、「はい。まぁ」とそっけなく返事。今度遠出して海を見に行こうと誘われ断れずに下心満々で向かう後輩(男)。ところが女は自殺しようとしていた。そんなお話。

冒頭のセットされているベッドでのシーン、遠出するところ、最後のラブホでのベッドシーン、以上で作品は完成していたので、あとは蛇足。しかも蛇足が多い。現実の世界と非現実を生きようとしている人物の違いの面白さを表現しようとしていたのではないだろうか。それはそれで面白い。

セットもベッドだけで良かった。他はいらない。病んだ女と優柔不断な現実にいそうな男、それだけで面白いので他はいらなかった。

059 劇団ショウダウン「SHOWUP in 船場サザンシアター」

2作品の上演。昔のショウダウンのイメージの強い作品だった。おふざけから感動もの。久しぶりのナツメクニオ節といったところ。小さい空間で一日だけしかなかったので、もったいないなぁと思いつつも楽しめた。

「Bayonetta」
格好のいいタイトルだが、中身はおふざけ。RPGのような世界に入り込んで、魔王と勇者のかけあいコント風味。面白いと言えば面白いのだが、もう少し完成度の高いものを観たかったというのが本音。笑えなければ面白くないということだと思う。

「コンフェッション・オブ・ザ・デッド」
交通事故にあった会社の先輩と後輩の最後の思い出作りに遊園地へ行く物語。会社の先輩(女)は死んだことに気づいていない。後輩は生き残ったものとして成仏できるように先輩の叶えたいことを実現しようとする。本当に生き残ったのは誰だったのか、そこがミソ(途中で分かりますが)。
爆発力はなかったが、物語としては少しまとまって観れたので良かった。二人芝居なので掛け合いの間や空気感というのが如実に現れるので、もう少し稽古してから観たかった作品でもある。